「デマンド・グループ増加 (カニバリゼーション)」グラフ
「デマンド・グループ増加 (カニバリゼーション後)」
グラフは、選択した指標の、カテゴリーに対するカニバリゼーション効果を、割引レベルとプロモーション・レバーごと、またはデマンド・コーザル標識ごとに示します。
例えば、ある商品にそれまでより少ない割引が適用されたためにその商品の販売数量が 1,000 個減少する場合、同じデマンド・グループ内の他の商品の数量が増加します (カニバリゼーション効果)。カテゴリー内の数量の正味減少数は、このカニバリズム効果により 1,000 アイテム未満となります。カニバリゼーション・グラフによって、ある商品の割引の変更がカテゴリー全体に及ぼす影響を数量的に理解できます。
カニバリゼーションの影響で、グラフ内の販売数量、収益、または利益について負の曲線が生じる場合があります。以下に、この負の曲線が生じる可能性のある例を示します。
プロモーションによる販売数量の増加: めったにないケースですが、プロモーション増加の低い非常に大きいアイテム (24 パック入りの水など) と小さいアイテム (単品売りなど) が同じデマンド・グループに入っていて、2 つのアイテム間に存在するカニバリゼーションが大きい場合に、大きいアイテムをプロモートしたとします。この場合、負になる可能性があります。極端な例では、プロモーションによって、ケースの数量が物理的に 100 単位 (2400 換算単位) 増加し、単品売りの方は物理的に 2400 単位 (2400 換算単位) 減少する場合があります。したがって、このアイテムのプロモートでは、デマンド・グループ全体の効果は -2300 単位になります。現実にはこういうことはめったに起きませんが、もし起きた場合は、24 パック入りの水を単品で提供するものと同じデマンド・グループに入れるべきかどうかを評価する必要があります。
プロモーションによる収益の増加: これが負になる可能性があるのは、上記の販売数量増加の例が原因となる場合、または、価格が非常に高くてプロモーション増加が低いアイテムが低価格のアイテムと同じデマンド・グループに入っていて、2 つのアイテム間に存在するカニバリゼーションが大きい場合です。例えば、10 円のプリンター・ケーブルが 100 円のプリンター・ケーブルと同じデマンド・グループ内にあるとします。これらは完全にカニバリゼーションを起こします。10 円のアイテム (陳列のみ – 一時値引きなし) をプロモートして、100 単位の増加があった (+1000 円) が、アイテムのうちの 20 個に 100 円のケーブルからのカニバリゼーションが生じた (-2000 円) とします。正味効果では、-1000 円の損失です。プロモートしたアイテムの収益が低下したために一時値引きが必要な場合は、影響はさらに顕著になります。
プロモーションによる利益の増加: これが負になる可能性があるのは、上記 2 つの影響が原因となる場合、または、非常に粗利の大きいアイテムと粗利の小さいアイテムの間に大きいカニバリゼーション関係がある場合です。例えば、自社ブランドの使い捨てカメラがブランドを冠したカメラと同じデマンド・グループ内にあるとします。ブランド品は 10 円で、自社ラベル品は 9 円です。ただし、ブランド品には 1 円の利幅があり、自社ラベル品には 5 円の利幅があります。ブランド品を陳列してプロモートした場合 (一時値引きなし)、ブランド品が 1000 個多く (+1,000 円の利益) 出ていても、自社ラベル品が 500 個なら (-2500 円)、結果としては利益の純損失が発生することになります。一時値引きがある場合は、一時値引きにより対象アイテムの収益性が低くなるため、この影響はさらに顕著になります。
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